発達障害

発達障害

法律の定義

発達障害の定義は、発達障害者支援法(平成 17 年度施行)にあります。

  • 法律の中には、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能障害であり、その症状が通常低年齢で発現するもの」とされています。①何らかの脳機能障害が存在していることが前提であり、保護者の育て方だけでは生じません。また、②通常低年齢に生じるものであり、成人になってから生じることはありませんが、成人になってからその存在に気付くことがあります。
  • 支援法施行令では、「脳機能の障害であって、その障害が通常低年齢に発症するもののうち、言語の障害、協調運動の障害その他厚生労働省令で定める障害とする」とされてます。
  • 法施行の際に出された次官通達の中では、脳機能の障害であって、その障害が通常低年齢に発症するもののうち、ICDのF8(学習能力の特異的発達障害、広汎性発達障害など)及びF9(多動性障害、行為障害、チック障害など)に含まれるものとされています。

それぞれの障害の特性

ICD による定義

ICD(International Classification of
Diseases)は、WHOによる国際疾病分類で、国際的に使われている医学の診断基準であり、日本国内でも使用されています。ICDは診療各科のものがあり、精神科はFコードとされています。発達障害として代表的なものには、以下のようなものが挙げられます。

F8
  • 会話および言語の特異的発達障害(言語障害)
  • 学力の特異的発達障害(学習障害)
  • 運動機能の特異的発達障害(発達性協調運動障害)
  • 広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候群など)
F9
  • 小児期および青年期に通常
  • 発症する行動および情緒の障害
  • 多動性障害(注意欠如多動性障害)
  • 素行(行為)障害(反抗挑戦性障害など)
  • 小児期に特異的に発症する情緒障害(分離不安障害など)
  • 小児期および青年期に特異的に発症する社会的
  • 機能の障害(選択緘黙、愛着障害など)
  • チック障害(トゥレット症候群など)
  • 小児期および青年期に特異的に発症する他の行動および情緒の障害(吃音など)

福祉サービスとの関係

発達障害者支援法の施行により、それまで公的支援の対象から外れることもあった発達障害にも支援が拡大しました。
発達障害者支援法が出来るまでは、知的障害のある場合だけが支援の対象になっていました。精神遅滞(知的障害)(F7)は、昭和35年制定の「知的障害者福祉法」によって福祉サービスの対象となっており、知的障害療育手帳の交付、障害基礎年金の支給が可能となっています。
一方、発達障害(F8、F9)は、発達障害者支援法の対象となっており、他の精神疾患と同じく精神保健福祉手帳の交付が可能であり、障害基礎年金の支給も可能になっています。
また、特別支援学校への入学には知的障害療育手帳が、就労に際しては、知的障害療育手帳や精神保健福祉手帳が有用です。

発達障害の特徴

他の障害とされるものと比べると、発達障害にはいくつかの特徴があります。これらについては個性と疾患のいずれにもあてはまらない特性と考えられるように思われます。

その数の多さ

文部科学省の統計では、通常教育及び特別支援教育を受けている児童・生徒では、盲・聾と肢体不自由を合わせたものの3倍近い知的障害を含む発達障害児がいます。平成14年の文部科学省調査では、教育上の配慮を要する児童生徒は、通常教育に6.3%、

発達障害の場合、その程度が重い場合や他の平成24年度調査では6.5%とされました。同様に、特別支援教育に在籍する発達障害の生徒は平成14年度で1.2%、平成24年度に1.4%とされており、合わせて平成14年度で7.5%、平成24年度で7.9%となります。日本の人口が1億2千万人とすると約1千万人となりますが、これらのうち支援を必要とするのは、これらの数分の1と考えられます。それでも他の障害と呼ばれるものと比べて、極めて数が多いことになります。

外見からの課題の分かりにくさ

障害を併せ持っている時は早く気付きますが、軽い場合は、本人も周囲も気付くのが遅くなることがあります。“外見からの課題の見えにくさ”は、一見問題ないように見える利点がある一方で、「怠けている」、「困ったものだ」、「反抗的である」などとの誤解を受けやすく、支援の開始が遅くなることもあります。

発達障害の存在の境界は明確ではない

発達障害が存在するか否かを明確に示すことは困難です。このことは発達障害が連続体(スペクトラム)であり、濃淡さ(グラデュエーション)があることにつながります。その程度が濃ければ気付くのも早いが、薄ければ成長するまで見逃される可能性もあります。「発達障害は存在していてはいけない」わけではなく、その存在で社会的に困難さを持つなら支援の対象となります。発達障害者は生まれて以来特性を持っており、自分では「その状態が当たり前」としてとらえています。自分が他者と違っているという認識は持たないまま、「要領が悪い」、「努力が足りない」などの非難を受けます。この結果として、「自分は皆と同じように出来ない」と自信を失い、心理的に追い込まれることもあります。

外見上は課題が改善したように見えることもある

発達障害の経過を見ていくと、落ち着いている時期もあるし、不安定になる時期もあります。例えば、小学校で担任が交代すると落ち着かなくなることもあるし、落ち着くこともあります。社会人でも、職場が変わり、上司や同僚が変わると不安定になることもあるし、安定することもあります。置かれる環境や、対応の仕方によって、外見上の課題は大きく変化します。つまり受け入れる側の状況により変化する側面を持っています。

家族的背景を持つことがある

最近欧米を中心に発達障害の遺伝的背景が指摘されています。ADHDを例にとれば、精神疾患の代表である統合失調症やてんかんよりも罹患者は多いのではないかと考えられています。このことは、一人発達障害がいれば、その兄弟姉妹、両親、祖父母にも発達障害存在の可能性があるということです。家族の発達障害への理解が不十分であっても、「自分と似ており問題はない」と考えていれば、家族を責めても仕方はありません。臨床場面でも、保護者に発達障害が存在していると、子供の発達障害の存在に気付くのが遅くなります。

幾つかの発達障害が同時に存在していることは珍しくない

発達障害は、一つが単独で存在するのではなく、程度の差はあっても、多くは重複して存在します。ASDの症状で来院されても、ADHD、LDなどが重なっていることは珍しくありません。知的障害、発達性協調運動障害、チック障害などが併存していることもあります。もちろん、発達障害以外の二次的な障害が併発していることもあります。一人ひとりの発達障害者はこれらが重なり合った存在であり、特定の特性や疾患にのみ結びつけるのは難しいことも多いです。

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