広汎性発達障害

広汎性発達障害

広汎性発達障害は脳の機能障害に基づいて生じると考えられています。かつて言われていたように、家庭環境や親の育て方が原因となるものではありません。
100人のうち、およそ1~2人にこの障害があると言われています。知的機能の障害を伴う場合と伴わない場合があり、それぞれ障害の程度によって自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群等と診断されます。

主な特徴

  • 場の雰囲気を直感的に察しながら、社会的な常識や暗黙のルールに従って行動をとることが苦手です。このため、周囲から様々な誤解や疎外を被ってしまうことがあります。
  • 言葉の表面上の意味にとらわれてしまって、相手が本当に伝えたい内容を読み誤ってしまう時があります(日常会話は、多義的で曖昧な表現、あるいは反語的な表現等が満ちあふれています)。
  • ものごとの見通しをもつことが難しいため、自ら考えて作業を計画的に進めることが苦手です。予想外の事態にあった時にみられる大きな不安や動揺(パニック)もこれと関連して生じる場合があります。
  • 特定の分野への興味・習慣へのとらわれが強い場合には、周りの状況に応じて自分なりに行動をコントロールするのが困難な時があります。

二次障害

広汎性発達障害の方は様々な形のコミュニケーションの障害を持つため、周囲から誤解をされがちです。集団の中で人とうまく合わせることが苦手なため、体調不良や抑うつ、不安等の症状をあらわしやすいことがあります。一人ひとりの背景にある状況を理解しないまま一方的な指導や矯正をしてしまうと、ご本人を傷つけたり、ストレスを与えることにもなりかねません。
このような周囲の人たちとのやり取りや環境的な要因の結果として生じる精神的な症状のことを二次障害と呼びます。例えば以下のようなものがあります。

主な二次障害

  • 気持ちが落ち込んだり、不安な気分が続くことがあります。
  • 急に大きな不安や動揺(パニック)に見舞われる時があります(ご本人なりの理由のある場合が多いです)。この際、その場にそぐわない行動が示されることもあります。
  • 幻聴や妄想(被害的な内容であることも多い)が生じることがあります。

特に知的機能の障害を伴わない広汎性発達障害では、本来の障害よりも二次障害の方が目立ってしまい、「うつ病」・「神経症または適応障害」・「統合失調症」等と診断されて治療が始まることもあります。医療機関で二次障害に対する治療の経過中、「広汎性発達障害が背景にあることが後で分かった」という場合も実際、少なくありません。

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